【ブログ】変動金利の住宅ローン 金利上昇に備えて確認したい3つのポイント

変動金利の住宅ローンを利用していると、金利のニュースが気になるかもしれません。国土交通省の調査では、令和6年度の新規貸出額の83.5%が変動金利型でした。
まず確認したいのは、①現在の金利・ローン残高・残りの返済期間、②金利上昇時の返済額、③家計に手元資金をいくら残すか、の3点です。自分の契約と家計の数字を確かめてから、返済方法を考えましょう。

確認する数字探す表示名の例確認のポイント
① 現在の適用金利適用金利・借入利率次の金利見直し日
新しい金利の適用開始日
② ローン残高現在残高・借入残高元金残高と
前回の返済で元金に充てた額
③ 残りの返済期間最終返済日・返済予定完済時期が大きな支出や
退職と重なるか

1 金利・残高・残りの返済期間を確認する

まず借入先のアプリや会員サイトで「借入内容」「返済予定」などを開き、①現在の適用金利、②ローン残高、③最終返済日(残りの返済期間)を控えます。
紙の返済予定表は金利変更のたびに郵送されるとは限らないため、作成日・適用開始日を確認してください。アプリに表示がなければ会員サイト、それでも分からなければ借入先のチャットや電話で確認できます。
次に、契約書や商品説明書で、基準金利から差し引かれる「優遇幅」を確認します。金利の見直し日、新金利の適用開始日、毎月の返済額の見直し日は異なる場合があるため、それぞれの時期も確かめましょう。変動金利の一部には、返済額を原則5年ごとに見直す「5年ルール」、増額を前回の125%までに抑える「125%ルール」があります。採用しない商品や返済方式もあり、条件は契約ごとに異なります。
月額が変わらないまま金利が上がると、利息が増え、元金充当額(残高を減らす分)が減ります。見直し時に125%の上限がかかっても利息の割合は高く、元金の減り方が遅い場合があります。返済明細で、元金・利息の内訳と残高を確認しましょう。
【図解】5年・125%ルールで何が変わるか

※月10万円×125%=上限月12.5万円。元利均等返済(毎月の返済額を原則一定にする方式)で両ルールが適用され、返済額の見直し直後に金利が上がる例。金額・内訳は説明用の仮定です。毎月の返済額で払い切れない利息は、未払利息として後に残る場合があります。(筆者作成)

2 金利が上がった場合の返済額を試算する

金利上昇時の返済額は、自分の残高と残りの返済期間で試算します。借入先のシミュレーションなどで、金利が現在より0.5ポイント、1.0ポイント上がった場合を比べ、家計への影響を確かめましょう。年0.5%から年1.0%は0.5ポイント上昇です。下の表は5,000万円を新規に借りる場合の単純試算で、返済中のローンの返済額を示すものではありません。

【試算例】新規借入で金利が35年間続く場合の返済額

適用金利毎月返済額0.5%との差(月額)35年間の総返済額
年0.5%129,793円―約5,451万円
年1.0%141,143円+11,350円約5,928万円
年1.5%153,092円+23,299円約6,430万円

※5,000万円を新たに35年間借り、各金利が35年間続くと仮定した元利均等返済・ボーナス返済なしの概算。諸費用と住宅ローン控除は含みません。返済中のローンへの影響は、残高・残期間・契約条件で異なります。(筆者作成)

3 手元に残す資金を決める

金利上昇を機に、繰上返済や資産運用を考える人もいるでしょう。ただし、運用益で利息増を補えるとは限らず、繰上返済した現金は原則戻りません。手元資金は図の3ステップで考えます。
①病気や収入減に備える生活費の予備費を確保します。②教育費や住み替え費など、近く使うお金を分けます。③残った資金で繰上返済・手元保有・運用を比べます。運用資金は必要なときに値下がりしている可能性もあります。

③では、繰上返済で減る利息と控除への影響、運用の損失可能性と使う時期を比べます。返済に回す予定のお金を別口座に置き、判断を急がない方法もあります。
住宅ローン控除を受けている人は、繰上返済で年末残高が減ると控除額が小さくなり得ます。返済期間の短縮で、当初の返済開始から新たな完済日までが10年未満になると、原則として控除対象外です。適用状況は個別に確認してください。繰上返済時は団体信用生命保険(団信)の保障も確認します。死亡や所定の疾病などの際、条件に応じて残高が弁済される仕組みで、保障内容は契約ごとに異なります。

【図解】手元資金の使い道を決める3ステップ

まとめ 自分の数字で家計への影響を確かめる

金利上昇のニュースを見たら、金利・残高・残りの返済期間を確認し、自分の条件で返済額を試算します。生活費の予備費と近く使うお金を確保したうえで、残る資金を繰上返済・手元保有・運用のどれに使うか、契約条件と家計に照らして選びましょう。

【参考情報】
国土交通省(住宅ローン調査) https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001991073.pdf
国税庁(住宅ローン控除) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm
国税庁(対象ローン) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1225.htm
三菱UFJ銀行(5年・125%) https://faq01.bk.mufg.jp/faq/show/5787
金融庁(資産形成の基本) https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/invest/

この記事を書いた人

鍋谷修平
鍋谷修平KFSC所属 ファイナンシャルプランナー
専門分野

ライフプランニング、タックスプランニング、不動産運⽤、金融資産運用

主な資格

1級FP技能士、AFP、宅地建物取引⼠、預かり資産アドバイザー2級、2種外務員資格

略歴

大阪大学卒。日立製作所にて金融システムのSEとして勤務。転職後、ライフプラニング支援システムや不動産査定システムの開発に従事。サラリーマンの傍ら2023年よりFPとして活動中。