【ブログ】新NISA ~これからは投資の時代~
ある調査によると60代の約半分の46%がNISA制度を利用しています。テレビや新聞で「NISAを利用しないと損」というような風潮があり、新NISA制度を利用して資産運用を始めた人も多いようです。
しかし投資にはリスクが伴います。何も勉強せずに、いきなり老後資金を全部投資に回すようなことをすると、虎の子の老後資金を大きく目減りさせてしまうかも知れません。
投資を始めるにあたっては投資の勉強をしましょう。「勉強なんて面倒」と言わず、最低限のことを少し勉強するだけで、運用成果が大きく変わりますので、少しお付き合いください。
安い時、高い時はいつ?
投資で儲けるためには「安い時に買い、買った時より高い時に売る」ことです。当たり前のことですが、これがなかなかうまくできません。なぜなら、安い時はいつか?高い時はいつか?が誰にもわからないからです。
株の値動きはプロでもなかなか正確に予測することができません。まして一般人が正確に予測することはほぼ不可能です。
「安いと思って買ったら、もっと下がってしまった」とか、「安くなるまで待っていたら、どんどん高くなって買えなかった」また、「もっと高くなるだろうと思っていたら、急激に下がって売れなかった」ということは、投資をしていれば必ず経験します。たまにはうまくいく時もありますが、これではギャンブルをしているようなものです。
それでは、投資で儲ける方法は無いのでしょうか?
実は安い時、高い時がわからなくても次善の方法があります。
長期積立投資
投資に絶対はありませんが、それでも長期積立投資は一般の人にとっては投資の基本中の基本です。これさえ知っていれば、他の知識はどうでも良いくらい大切です。
毎月一定の金額を積み立てると、安い時には多くの口数を購入でき、高い時には購入できる口数が少なくなります。これを繰り返すことで1口当たりの購入単価を少なくできる効果が期待できます。これをドルコスト平均法と言います。投資を始めると必ず耳にする言葉ですので覚えておきましょう。
図1: 長期分散積立投資の効果(ドルコスト平均法) (著者作成)
図1は、架空の投資信託を毎月3万円と、毎月3万口積み立て購入した場合のシミュレーションです。毎月同じ金額を積み立てた方は4カ月後の総口数が約14万口となり1万口当たりの平均購入単価が8541円です。毎月同じ口数を購入した方は平均購入単価が1万円と、金額積立より、購入単価が高くなっています。
長期積立投資のデメリット
長期積立投資は一般投資家にとっては非常に優れた投資方法ですが、いくつかのデメリットがあります。
1.大きな利益が出るまで相当の時間がかかる
積立投資で大きな利益が出るのに10年、場合によってはもっと時間がかかる場合があります。その間もこつこつと積み立てを続ける必要があります。最初の数年は運用益がマイナスになる場合もあります。その場合も辛抱強く積み立てを継続することで、その後景気が回復した時に資産が大きく増える事が期待できます。
2.長期で積み立てる資金が必要
10年20年と積立投資をするためには、それなりの資金が必要です。例えば毎月5万円を20年間積み立てるためには1200万円の原資(余裕資金)が必要です。一般の家庭では少し負担になるかも知れません。
3.投資が面白くない
長期積立投資は一度設定をすれば、あとは10年以上ほったらかしで何もする必要がありません。しかし投資を始めると、それがつまらないと感じるようです。高くなったら少し売ってみようとか、手を出したくなります。しかしこのような介入は、積立投資では資産運用の妨げになります。
長期積立投資を実践するのは案外難しいと言われています。一度積立設定をすれば、あとは何もせずそのままにしておけば良いのですが、これが意外と忍耐力のいる作業です。
まとめ
長期積立投資で少しずつ投資の仕組みがわかってきたら、余裕があれば株式やその他の投資にもチャレンジしてみましょう。桐谷さんのように株主優待も投資の魅力の一つです。
今回は長期積立投資についてご紹介しましたが、その利益を保証するものではありません。投資はあくまでも自己責任でお願いします。
この記事を書いた人
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専門分野
ライフプランニング、リタイアメントプランニング、資産運用 (特にNISA)、相続
主な資格
CFP®、1級FP技能士、円満相続遺言支援士®、日商簿記2級
略歴
日本IBM(株)勤務を経て、FPとしてPCとFPオフィス植田を起業。PCとFPオフィス植田 代表。PCとFPオフィス植田のフェイスブックでNISAのコラム随時掲載。NISAや確定拠出年金等のセミナー講師、及び個別相談多数実施。
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