【ブログ】どうする!?人生100年時代の生き方
「人生100年時代」を自分らしく生きるためには、「ライフ・マネー・キャリア」プランを自分なりに考えておくことがとても重要となります。会社を卒業する前から、長い人生を自分らしく生きるための準備を始めたいものです。
◆「人生100年時代」・・・長生きを真剣に考えなければならない時代
人生100年時代という言葉がかなり定着してきた今日この頃ですが、私たちはいったいどのような環境にいるのでしょうか。
①少子高齢化による不安定な人口ピラミッド:社会の「支え手」の減少
現在の少子化が進めば、2070年には日本の人口は8700万人、1年間に生まれる子どもの数は現在の半分程度の約50万人となり、高齢化(65歳以上の割合)は39%に達すると予測。日本社会の担い手の減少はすでに深刻な問題となってきています。
出典:厚労省 令和5年版 厚生労働白書第2部第1章より
②年々伸びる寿命:会社卒業後は「余生」なんて言葉では語れないほど長い時間が待っている
平均寿命も健康寿命も毎年少しずつ延びています。別の見方をすれば「会社卒業後の人生」が長くなることを意味しています。
ちなみに、「健康寿命」は2000年にWHO(世界保健機関)で提唱されたもので「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」をいい、2019年には男性で約73歳、女性で約76歳となっており、人口減少社会の日本では、会社卒業後も高齢者が社会の担い手として活躍することが期待されています。
◆会社卒業後の生活をイメージできていますか?まずライフプランを考えよう
会社卒業後は趣味にいそしみ、楽しいことをして暮らしたい・・・。一昔前までは「余生を楽しむ」といった考え方もありましたが、今はどうでしょうか。会社を60歳で卒業すれば100歳まで40年間あります。65歳で卒業しても35年もの長い時間が待っています。「余生を楽しむ」といった考え方だけではこの長い時間を過ごすことは難しいのではないでしょうか。また、先ほど見てきたように社会の担い手である現役世代が減少する中、健康寿命が延びている高齢世代が担い手として活躍することは社会のニーズといっても過言ではないと思います。ですから、会社を卒業する前からご自身のライフプランをしっかり考え、持っておくこと。これが人生100年時代を自分らしく生きる羅針盤になると思います。
◆ライフプランを考えたらマネープランも考えてみよう
人生の後半はあんなことをしたい、こんなこともしたい・・・とご自身のライフプランを考えたら、次に生活を支える資金について考えなければなりません。公的年金(厚生年金や国民年金)は65歳から「一生涯」受給できますから、そのもらい方については戦略が必要になります。例えば、一定の年齢までは企業年金や蓄えでしのぎ、のちに繰下げることで増額した年金を「一生涯」受給する・・・などなどです。もちろん、現役時代から資産形成をしっかりやるといった選択は非常に喜ばしいことであり、若者には真剣に取り組んでほしいところです。
あわせて、家計のキャッシュフロー表(※1)を書いて、100歳まで黒字で生活して行くことができるのか。ぜひこの機会に確認をしてみてください。
(※1)家計のキャッシュフロー表(日本FP協会)
◆ライフプラン・マネープランを考えたらキャリアプランを考えてみよう
家計のキャッシュフロー表を書いてみたら100歳に到達する前に赤字転落してしまった・・・。そんな場合もまず深呼吸して落ち着きましょう。ご自身のキャリアプランを考えてみてください。理想は、現役時代から生涯キャリアを考えることですが、なかなかできることではないですよね。なので、思い立った今がチャンスです。会社卒業後の長い時間、ご自身にできることをたくさん考えてみましょう。報酬に結び付けて考えるとがぜんやる気も出てきます。
・自身のキャリア資本を確認する ⇒会社人生で培った人脈や様々なスキル。その棚卸をしてみましょう。
もっと簡単に考えてもいいです。ご自身の強みって何でしょう。例えば、協調性、忍耐力、明るさなどなど。
ポジティブな言葉でご自身を表現してみてください。自身の強みに気が付くはずです。
⇒次に自身の強みを生かせる仕事は?と考えてみてください。
今まで経験したことのない領域にも目を向けてみると意外な仕事に遭遇(※2)するかもしれません。元気なうちはしっかり働いて資産を増やしていきたいものです。あわせて、人生を豊かにする社会のつながりも増やしていきたいものです。
(※2)計画的偶発性理論:心理学者 ジョン・D・クランボルツ氏が提唱
◆まとめ
少子高齢化の進展で、高齢者も日本社会の担い手に回ることが望まれている今、健康寿命も少しずつ延びていることを考えれば、人生100年時代は高齢者の出番なのだと思います。
最近では、「貢献寿命」(※3)という考え方も出てきています。その考え方は「何歳になっても社会とつながり、役割を持って生きる、収入を伴う仕事に限らず、些細なことでも『ありがとう』と感謝される、そうした自分であり続けられる、そうした高齢期の日々を最期まで歩んでいける社会」。素敵な考え方です。
人生100年時代の生き方は、「ライフ・マネー・キャリア」プランを一緒に考えることで、きっと見つかるはずです。思い立ったが吉日!今日から考えて見ませんか。
(※3)「貢献寿命」:秋山弘子教授考案。最近の研究は以下。
この記事を書いた人
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専門分野
ライフプラン
主な資格
AFP、国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー
略歴
電機メーカーに技術者として入社、通信機器類のハードウェア設計部門で品質管理や電子部品の設計に従事。その後、労働組合専従役員として活動し、地方公共団体及び国の審議会・協議会・分科会などの委員も務める。労働系シンクタンクで女性の労働運動の研究などにも関わる。2018年に会社に戻り、社員のキャリア研修の企画などに従事。
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