【ブログ】「特殊詐欺およびSNS詐欺等」が増えており、ライフプランに影響を与えています

 警察庁の発表によると、令和7年の特殊詐欺の被害額は、428億8,201万円になり、前年(令和6年)に比べ▲2,899億円の減額になりました。しかし、新たに特殊詐欺に認定されたSNS を使った投資詐欺・ロマンス詐欺や警察官を名乗ったニセ警察詐欺の被害は、2,812億3,100万円にのぼり、年間では3,241億円を超える被害額が発生しています。詐欺被害に遭うと特に高齢期のおけるライフプランに大きく影響を及ぼします。

 詐欺の実態と手口を知り、詐欺に遭わない対策を考えることが大切な時代になっています。

特殊詐欺

 特殊詐欺とは、面識のない不特定多数の者に対し、電話その他の通信手段を用いて、対面することなく被害者をだまし、不正に入手した架空または他人名義の預貯金口座への振り込みなどの方法により、被害者に現金などを交付させたりする詐欺です。

 また、最近ではSNSを使った投資詐欺やロマンス詐欺、ニセ警察詐欺等の被害金額が激増しています。

特殊詐欺の種類と被害額

警察庁の統計によると2024年と2025年の被害額は下表のとおりになっています。

従来の詐欺においては、対前年▲289億9,519万円と大きく減額になりました。これは、オレオレ詐欺に含めていたものをニセ警察詐欺を新たに認定し外出しした結果のものです。

一方、新たに認定されたニセ警察詐欺とSNS型詐欺の被害額は膨大になっています。

合計では、1日換算で88億7,981万円の被害額になり、ライフプランに大きく影響が出ています。

※出典:警察庁の資料から筆者が集計

【特殊詐欺の手口】

1.オレオレ詐欺の手口

 親族、警察官、弁護士等を装い、親族が起こした事件・事故に対する示談金等を名目に金銭等をだまし取る(脅し取る)手口です。

2.預貯金詐欺の手口

 親族、警察官、銀行協会職員等を装い、あなたの口座が犯罪に利用されており、「キャッシュカードの交換手続きが必要である」などの名目で、キャッシュカード、クレジットカード、預貯金通帳等をだまし取る(脅し取る)手口です。

3.架空料金請求詐欺の手口

 未払いの料金があるなど架空の事実を口実とし、金銭等をだまし取る(脅し取る)手口です。

4.還付金詐欺の手口

 税金還付等に必要な手続きを装って、被害者にATMを操作させ、口座間送金により財産上の不法の利益を得る手口です。

5.融資保証金詐欺の手口

 実際には融資しないにもかかわらず、融資を申し込んできた被害者に対し、保証金等の名目で金銭をだまし取る(脅し取る)手口です。

6.金融商品詐欺の手口

 架空又は価値の乏しい未公開株、社債等の有価証券、高価な物品等に関する虚偽の情報を提供し、購入すれば利益が得られるものと信じ込ませ、その購入名目等で金銭等をだまし取る(脅し取る)手口です。

7.キャンブル詐欺の手口

 雑誌に「パチンコ打ち子募集」等と掲載したり、メールを送信するなどし、これに応じて会員登録等を申し込んできた被害者に対して、会員登録料や情報料等の名目で金銭等をだまし取る(脅し取る)手口です。

8.交際あっせん詐欺の手口

 雑誌やメールに記載された「女性紹介」等の案内に申し込んできた被害者に対して、会員登録料金や保証金等の名目で金銭等をだまし取る(脅し取る)手口です。

9.キャッシュカード詐欺盗(窃盗)の手口

 警察官、銀行協会、大手百貨店等の職員を装って被害者に電話をかけ、「キャッシュカードが不正に利用されている」などの名目により、キャッシュカードを準備させた上で、隙を見るなどし、キャッシュカード等を窃取する手口です。

10.ニセ警察詐欺の手口

 警察官等をかたり、捜査(優先調査)名目で現金等をだまし取る手口です。

11.その他の特殊詐欺

 上記の類型に該当しない特殊詐欺のことをいう。

12.SNS型投資詐欺の手口

 犯人が、主としてSNSその他の非対面での欺罔(ぎもう)行為により投資を勧め、投資名目で金銭等をだまし取る手口です。

13.SNS型ロマンス詐欺の手口

 犯人が、SNSその他の非対面での連絡手段を用いて被害者と複数回やり取りすることで恋愛感情や親近感を抱かせ、金銭等をだまし取る手口です

特殊詐欺に遭わないための対策

1.特殊詐欺の手口は日々変化しています。

知らない者(訪問者)からの電話や対応には、まず詐欺を疑いましょう。特に劇場型(複数の人間が上司・弁護士・警察官・公務員といった名前を騙り電話を掛けてくる)が増えています。以下の用語が出たら詐欺を疑いましょう。

(1)「携帯番号が変わった」「風邪を引いたので声が出ない」

(2)「払戻金がある」「キャッシュカードを取り替える必要がある」

(3)「口座が悪用されている」「キャッシュカードを確認に行く」

(4)「コンビニで電子カードを買って、カード番号を教えて」

(5)「還付金がある」「 ATMで手続きができる」

(6)「返済の信用実績を作っておく必要があるので、先にお金を振り込んでください」

(7)「A社の株は将来必ず価値があがる。案内が届いた人にだけ購入権がある。あなたはラッキーですよ」

(8)「宝くじの当選番号が事前に分かります。今から教えますので、嘘だと思うなら明日の新聞を見てください」

2.特殊詐欺の対策

(1)「私は大丈夫」と思っている人ほど騙されやすいと言われています。常に最大の注意が必要です。

(2)電話の声だけで犯人と見破るのは困難です。犯人は予め「風邪を引いて声がおかしい」などと普段と声が違う理由を伝えてきます。騙されずに見破った人でもその多くが、「電話の声は、実の息子と似ていた」との感想を持っていました。一旦電話を切り、本人の携帯電話(ないし会社)へ電話して確認をしてみる。

(3)お金は本人以外の他人には、絶対渡さない。

(4)留守番電話(録音機能付)を活用する。録音しますとのメッセージを犯人は嫌うそうです。

(5)キャッシュカードは他人に渡さないこと、また暗証番号は絶対誰にも教えない。

(6)身に覚えのないメールやはがきが届いても無視し、返信や連絡はしない。

(7)ATMの操作でお金は絶対戻ってきません。まず警察に相談しましょう。

(8)融資してもらうのに、お金を払うことは絶対にしないようにしましょう。

(9)必ず儲かる、確実に株価が上がる、貴方だけ、の話にはのらないようにしましょう。

(10)宝くじ等の当選番号は抽選前に誰も知ることはできません。ギャンブルで儲かった話も聞きません。うまい話にはのらないようにしましょう。

(11)お金を払えば女性に会える。うまい話しには落とし穴があります。安易に雑誌やメール等の連絡先には連絡をしない。

(12)警察官、銀行協会などの職員が暗証番号を聞いたり、キャッシュカードを封筒に入れさせることは絶対にありません。

SNS型詐欺および偽警察官詐欺の実態

ニセ警察詐欺の実態

ニセ警察詐欺とは、警察官等をかたり捜査(優先調査)名目で現金等をだまし取るものをいいます。

被害額は、985億3,535万円で従来オレオレ詐欺等の手口に包含されていましたが、犯行形態を令和8年1月から新たな手口として分類しています。1日に換算すると2億6,996万円になります。

【トピックス1】ニセ警察詐欺の特異な手口

① 性的な被害を伴う手口

ニセ警察官が、金銭の要求とともに、犯罪の嫌疑を晴らすなどの名目に より「身体特徴の確認のため、裸になること」「行動確認のため、入浴中やトイレ時を含めた常時ビデオ通話といったわいせつな行為を要求する」事案が確認されている。

令和7年中に発生した事案について、都道府県警察から警察庁に報告が あったものは241件(未遂・相談事案を含む。)。

② 金地金をだまし取る手口

ニセ警察官が、「あなたに逮捕状が出ている」「身の潔白を証明するには、資産の提出が必要」などと言って、「金地金(金塊、インゴット) をだまし取る」事案が確認され、高額な被害が発生している。特殊詐欺全体での被害は、認知件数は169件、被害額は55.1億円であり、 ニセ警察詐欺では、認知件数は157件、被害額は53.2億円で認知件数、被 害額ともに9割を占める。

SNS型投資詐欺の実態

【認知状況】

 SNS型投資詐欺の認知件数は9,538件(+3,125件、+48.7%)、被害額は 1,274.7億円(+403.6億円、+46.3%)と認知件数、被害額ともに前年に比べて増加している。

出典:警察庁HP

【年代別認知件数】

出典:警察庁HP

年齢層別にみると男性は、60代、50代、40代、70代の順になっている。また若年層から高齢者までの幅広い年齢層に被害が発生している。

当初接触ツール別認知件数】と【被害時の連絡ツール別認知件数

当初接触ツールはあらゆる種類のSNSで接触し、最後はLINEグループに引き込んでニセの情報を流して詐欺を行っている。

出典:警察庁HP

◆SNS型ロマンス詐欺の実態

認知状況 SNS型ロマンス詐欺の認知件数は5,604件(+1,780件、+46.5%)、被害 額は552.2億円(+151.4億円、+37.8%)と、認知件数、被害額ともに前年 に比べて増加している。

出典:警察庁HP

年代別認知件数でみると、男性は、50代、60代、40代の順になっているが、幅広い層で被害が出ている。また、女性は50代、40代、60代の順になっておりこちらも幅広い層で被害が出ている。

当初接触ツール別認知件数】と【被害時の連絡ツール別認知件数

  当初接触ツールはあらゆる種類のSNSで接触し、最後はLINEに引き込んで詐欺を行っています。

出典:警察庁HP

SNSやマッチングアプリなどを通じて出会った者と、実際に直接会うことなくやりとりを続けることで恋愛感情や親近感を抱いてしまい、金銭等をだまし取られてしまう詐欺です。

まとめ

高齢者を狙った特殊詐欺は卑劣な犯罪です。最近は、ニセ警察詐欺や若年層まで巻き込んだSNS詐欺と言われている著名人を騙った投資詐欺や結婚を匂わせたロマンス詐欺が急増しています。

いずれも体面なしでの犯罪です。犯人たちは、日々どのような手口で騙そうかと研究をしています。私たちはそういた者から大切な財産を守らなければなりません。

一旦、詐欺に遭った金銭は戻ってきません。将来のライフプランに大きな影響を与えています。

詐欺による被害は誰にでも遭う可能性があります。常日頃から対策を考え防備しておくことが最大の対策になると考えています。

老後資金のライフプラン計画など不安をお持な場合には、専門家(FPなど)に相談することをお勧します。

この記事を書いた人

大庭和夫
大庭和夫KFSC監事 ファイナンシャルプランナー
専門分野

ライフプラン設計、不動産運用設計、相続関係、年金関係

主な資格

1級FP技能士、宅地建物取引士、損害保険募集人、日商簿記2級

略歴

企業(株式会社キャプティ)の人事部門に在籍中、社員に対するライフプランセミナー講師、年金相談に携わる。 現在は、一般社団法人ビューティフルエージング協会所属し各種セミナーの講師・相談業務を担務している。KNR大庭FP事務所代表