【ブログ】スマホ申告で青色申告特別控除65万円をめざす

 確定申告の時期に憂鬱になる理由はたくさんあります。資料をまとめるのに時間がかかる、所得税の計算方法が合っているか自信がない、税務署に相談に行きたいけど混んでいて予約がとれない等様々です。

 そのような中、スマホで申告できるならとチャレンジしてみている人が増えてきています。ただ、最後までたどり着けない人や、それ以前に入口の段階で躓いてしまう人も多いようです。スムーズに完了できる基本的なポイントを解説します。

躓く可能性のある分岐点のために現状を整理する

まず、申告前に自分の現在の状況を確認すべきいくつかのポイントがあります。
① 以前電子申告をしていて利用者識別番号(16桁の数字)と暗証番号があるか
② マイナンバーカードを取得していて、暗証番号2種(数字4桁、英数字6文字以上)を把握できていて、マイナポータルアプリがインストールされているか
③ スマホはiPhone(アイフォン)なのかAndroid(アンドロイド)なのか
上記の条件の違いによってやり方が微妙に違ってくるのが躓く原因となりやすいので、まずは確認してください。

国税庁の申告ページにたどり着く方法

① 『国税庁』で検索して表示されている中から『確定申告書等作成コーナー』をクリックする。
又は、
② ①以外ではチラシやポスターのQRコードを読み込んでたどり着く方法があります。アイフォンの場合はカメラから直接読み込みますが、アンドロイドはGoogl Chromeを起動して検索窓のGoogl レンズで読み込みます。

推奨ブラウザはアイフォンではSafari、アンドロイドではChromeが指定されていますのでそれら以外の場合はエラーが出る可能性があります。

作成開始

 作成する申告書選択で、4つのボタンがありますが事業所得や不動産所得の青色決算書や収支内訳書を作成してから申告書を作成する場合は2つめの『決算書・収支内訳書(+所得税)』を選択します。給与所得や年金のみの場合は1つめの『所得税』のボタンで大丈夫です。
 次の提出方法の選択が躓きの原因がでやすいところです。

提出方法に関する質問に回答する

 提出の方法はマイナンバーカード方式とID・PW方式の2種類があります。
 いずれの方式でも以前既に電子申告をしていて利用者識別番号を取得している人はその情報を使いますが、新たに取得して進むと以前のデータを参照できなくなりますので注意が必要です。
 マイナンバーカード方式の場合は2種類の暗証番号の把握とマイナポータルアプリがインストールされていることも必要です。
 マイナンバーカードが無い場合はID・PW方式で進めることになりますが、以前の利用者識別番号や暗証番号がわからなくなっている場合は新規に設定することになります。
 利用者識別番号はご本人から税務署に問い合わせて確認できますし、スマホ申告でなくパソコン申告でしたら申告書作成後半時に暗証番号を再設定できます。

申告書作成して内容の確認、そして送信

 後はサイトの流れで進みつつ確認のページで『申告書等を表示する』ボタンで表示して確認しましたら、アイフォンでは右下のタブボタン、アンドロイドでは左下の戻るボタンで確認ページまで戻り、『次へ』ボタンから送信に進みます。
 送信確認ページの下の方に表示される受付番号は必ずメモしておいてください。後で保存を失敗した場合やデータが行方不明になった場合に税務署への問合わせに使うこともあります。

申告書の控え(PDFファイル)の保存

 送信後の申告書等をPDFファイルで表示したものをスマホに保存する方法はアイフォンとアンドロイドでは多少違いますが、保存できていなくてもe-Taxのご自分のメッセージボックスから確認はできます。

まとめ

 スマホ申告の画面はパソコン等の画面とほぼ同じになっているようですのでスマホの字が小さくて操作しにくいようであればパソコンでの申告の方が良いのかもしれませんが、マイナンバーでの申告となるとカメラとの連携もありスマホの方が便利な場合があります。
 電子申告(e-Tax)をすることによって青色申告特別控除の65万円の要件は1つクリアできますのでスマホ申告を検討する価値は大きいです。

この記事を書いた人

山内晃
山内晃KFSC理事 税理士、ファイナンシャルプランナー
専門分野

法人税、所得税、相続税等の税務全般、会計コンサルティング

主な資格

CFP®・1級FP技能士、税理士、日本商工会議所簿記検定1級

略歴

早稲田大学卒業後、日興證券を経て現職。税理士試験合格後は所属税理士として登録。20年以上にわたり、法人・個人に対する税務及び会計等の相談業務に従事。税理士事務所勤務(所属税理士)。簿記論、財務諸表論、法人税法、所得税法、相続税法の5科目合格。