【ブログ】2025年の年金大改正。今後遺族年金はもらえなくなる?

令和7年5月16日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」は、衆議院で修正のうえ、6月13日に成立しました。今回は年金改正の中から,多くの妻が気になる「遺族年金」について解説します。

世代によって損か得かが分かれる点がポイント

厚生労働省のHP(参照:下記は厚生労働省HPからの抜粋)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00020.html)をご覧ください。これまで遺族厚生年金は子どものいない30歳未満の女性を除いて,一旦遺族厚生年金の受給権が発生すると,再婚などによって失効しない限りは,一生受け取ることができていました。ところが,この改正内容を見ると、60歳未満の方であれば一律5年間の有期給付しか受け取れなくなります。60歳以上の方に変更はありません。つまり、今回の改正に何の影響を受けない得な方も一定数いるということです。

改正内容に影響される方はこんな方

遺族厚生年金の見直しは2028年4月施行の予定となっています。2028年度に40歳以上になる女性も変更はないということにもつながるのですが、見直しがある方の中でも、所得や障害などのより配慮が必要な方は、5年を超えて受給することが可能となります。メインタイトルのように,全ての方が遺族厚生年金を受け取れなくなるわけではありません。

遺族厚生年金が受け取れない方が今後するべき対策

遺族厚生年金を受け取れなくなるということは、ライフプランの方針転換が必要となる方は多いかもしれません。人が不安に思う理由の1つとして、家計を維持している大黒柱が亡くなるというケースは最たるものです。遺族年金が一生受け取れるのであれば、保険加入の際の必要補償額は低く見積もることができ、保険料を削減できます。今回の改正に影響されれば、一生受け取れる金額から5年しか受け取れない金額へと、差額は歴然です。この差額を保険で埋めるのか、それとも頑張って働くのかは人それぞれの工夫が試されます。まずは、遺族年金を想定したライフプランを考えている方は、自分や家族への影響をしっかりと見積もっておきたいものです。

この記事を書いた人

當舎緑
當舎緑KFSC理事
専門分野

ライフプランニング、リスクと保険、相続・遺言

主な資格

CFP®、社会保険労務士、行政書士、日本商工会議所メンタルヘルス検定Ⅱ種(管理監督者向け)等

略歴

神戸大学卒業 現在 當舎社会保険労務士行政書士法務事務所所長、昭和女子大学非常勤講師