新NISAでシニア世代もインフレに負けない投資を!
2024年からスタートした新NISA(少額投資非課税制度)で投資をしていますか?
バブル崩壊を経験した世代は投資にアレルギーがある人も多いでしょう。でも、忘れていたインフレ時代が始まりました。日本の家計金融資産は2,100兆円を超え、その過半以上は現預金です。現預金はインフレになると価値が下がり、公的年金は物価上昇ほど増えません。インフレ率2%の場合、100万円は5年後には90.6万円、10年後には82万円と価値は減っていきます。
新NISAは貯蓄から投資へ「資産所得倍増プラン」によりパワーアップ。人生100年時代、投資をしながら人生を楽しむためにお金を使い、インフレに負けずに資産寿命も健康寿命も伸ばしましょう。
新NISAのおさらい
・配当や運用益にかかる約20%の税金が非課税
・利用できるのは1月1日現在18歳以上、年齢の上限はありません
・制度の恒久化&非課税保有期間の無期限化
・年間投資枠:つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円・合計年360万円
・非課税保有限度額:1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円迄)
(買付額で管理され、売却すると翌年に買付額分が復活して再利用できます)
*詳細⇒金融庁NISA特設サイトhttps://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/index.html
年間投資枠360万円は最速5年で非課税保有限度額1,800万円となり、貯蓄や退職金などがあるシニア世代も投資しやすくなりました。但し、投資するのは暫く使う予定のないお金、ライフプランを考えてご自身にあった目標額の設定が必要です。
NISA口座開設の金融機関の選び方
金融機関は年単位で変更ができ、各々の金融機関の非課税保有限度額は国税庁において一括管理されます。また、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関にはできません。
現役世代はネット証券がお勧めですが、シニア世代は、まず、取引金融機関の商品を確認してみるのも良いです(株式等にも投資するなら証券会社)。
投資商品のポイント
①つみたて投資枠対象商品(買付は積立のみ)
金融庁の基準を満たす長期・積立・分散に適した投資信託289本(2024年5月15日時点)、販売手数料はゼロ(ETF除く)、信託報酬(運用手数料)が低いインディックスファンドが中心です。全世界株式やS&P500に連動するインデックスファンドが人気です。定額買付のドルコスト平均法は、値下り時は多く買付ができるので心穏やかに過ごせます。
②成長投資枠対象商品(買付は一括又は積立)
上場株式、投資信託(つみたて投資枠商品含む、信託期間20年未満・高レバレッジ型・毎月分配型は除外)・ETF(上場投資信託)・REIT(不動産投資信託)
投資の神様ウォーレン・バフェットの投資術「優良企業の株を安く買い長期保有、自分が理解できない企業に投資しない等」が参考になります。
③2024年4月のNISA購入(対面大手・ネット証券10社集計) ※日経新聞より
投資信託57%(積立&一括)、国内株39%、海外株4%。国内株も人気です。
*お勧めサイト⇒ウエルスアドバイザーNISA応援宣言 https://nisa.wealthadvisor.co.jp
人生100年時代、高配当株で自分年金づくり
筆者は積立&高配当株で自分年金づくりを目指しています。例えば高配当株1,000万円、3%の配当利回りの場合、毎年30万円を自分年金として受け取り、旅行や趣味に使えます。学びながら、まずは高配当の安定銘柄から少しずつ購入するのもいかがでしょうか。
人生100年時代、投資しながら取崩して資産寿命を延ばす
NISAは資産の引出しが自由、リフォームや老人ホーム入居等、必要な時に必要な額を引出せます。
また、生活費の補填やゆとり費として定期的に取崩す場合もあります。例えば、投資せず1,800万円を75歳から月10万円取崩すと90歳でゼロ。利率3%で65歳から月30万円を5年間積立(投資額1,800万円)、70歳から5年据置、75歳から月10万円を取崩すと102歳でゼロです。実際には利率は変動しますが、長期に投資しながら取崩すと資産寿命を延ばすことも可能になります。
まとめ
NISAでインフレに負けない投資をして資産寿命も健康寿命も伸ばしましょう。
積立投資は相場に関わらず、いつでも少額から始められます。学びながら少額から上場株式・ETF・REITに投資して配当などで自分年金を作るのも良いです。ご自身にあったNISAの活用を考えましょう。
投資詐欺が増加しています。元本保証で高利回りの商品は存在しません。詐欺に会わないためにもNISAで投資を学んでいきましょう。
この記事を書いた人
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専門分野
ライフプランニング・資産形成(NISA・iDeCo)、DC投資教育
主な資格
CFP®・1級FP技能士、社会保険労務士、DCプランナー1級
略歴
食品メーカーの企業年金にてライフプランセミナー・年金相談・資産運用などに携わり、退職後はFPとして独立、ライフプランサポートを行っている
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