【ブログ】米国中流家庭のように資産1億円をもつために必要なこと(新NISAが始まって1年半、あなたのNISAは?)
「米国中流家庭のように資産1億円をもつ」のシリーズ第15弾です。
新NISAが始まり、1年半が経ちました。でも、まだ、たったの1年半と思っていただきたい。
この間、日経平均は、昨年8月と今年の4月の2度にわたる大幅下落相場を経験しました。アメリカを代表する指数であるS&P500も今年の3月までは、順調に伸びていましたが、4月の下落相場の原因がトランプ大統領による関税政策の発表のためであったので、この出来事は、世界の政治・経済を震撼させ、日米の株式市場を混乱させました。
さて、NISAでのつみたて投資は、これらの下落相場により、一時的な元本割れの洗礼を受けました。皆さんはどのような心境であったでしょうか?

出典: ヤフーファイナンス、日経平均, 1年半のチャート(5月30日現在)

出典: ヤフーファイナンス、S&P500, 1年半のチャート(5月26日現在)
長期投資とは?を再確認
NISAが始まって1年半という年月は、ある意味長い期間です。
しかし、です。長期投資は、少なくとも20年以上の期間を見据えて取り組むべしと、このコラムでも説明してきました。
1年~2年は、資産形成においては、まだ、「短期」に分類されます。そう認識できるかどうか。金融力を持っているといえるかどうかの一つの試金石となります。
NISAで積立投資を実践している方の狼狽売りは少なかった模様
経済ニュースを見る限り、NISAで積立投資をしている方の狼狽売りは、どうやらあまりなかった模様です。
これは、よいことです。
今回の下落を私は、「大暴落」とは呼びません。なぜならば、過去の大暴落は、約6割もの下落相場が、2‐3年という期間をかけて起きた事象だったからです。
大暴落とは、リーマンショックやバブルの崩壊、ITバブルの崩壊に伴って起きた下落相場のみに使うべき用語です。
今回の大幅下落は、わずか数日のうちで下落傾向は底打ちし、株価回復に向かいました。
そして、下落率は、大きかったとはいえ-25%程度でした。
大暴落に備えて、金融力をつけられた?
長期の資産形成は、20‐30年以上の月日をかけて行うものですから、多くの方にとって、一生に一度の体験ということになります。「長期投資」を、自ら繰り返し経験することはできません。
なおさら、「金融力」をつけるための「学び」が大切ということになります。
「長期投資」を繰り返し経験はできませんが、しかし、大暴落の備えるために、今回のような「小規模な大幅下落相場」の経験は、貴重な機会であったと言えるでしょう。
また、少し前を振り返っていただくと、2020年3月、コロナ禍が始まって間もなくの頃にも、今回同様の2割強の下落相場がありました。このときの記憶を振り返る、あるいは、チャートを見ていただければ、大幅下落を追体験ができます。
大暴落の波を乗り越えて、人生100年を見据えた資産形成・活用を
例えば、今、40歳の方が、月々6万円のつみたてを65歳まで続け(元本1800万円)、その後、100歳まで年金のように定期取崩しをしていくならば、期待利回り4%と、控えめ(リスク中程度)な資産運用で、自分が取り崩して使える金額の総額は、5000万円を超えます。
公的年金は、夫婦で100歳まで受給すると、その総額は、その人によるとはいえ、1億円近くになります。(基礎年金、二人分で約5600万円。厚生年金120万円の方であれば、合わせて約9800万円です)
この公的年金に、5000万円の個人年金、そして、退職金などを足していくと、相応にゆとりの生活を暮らせるのではないかと感じていただけるかと思います。
オルカンが人気ですが、過去実績の期待利益率が10%もある、この投信で、全ての資産を使って積立投資をする必要性は低いのです。
リスクを抑え、期待利益率4%程度でもかなりの資産形成が可能です。人生100年という長い年月でのライフプランを立てていただければと思います。
この記事を書いた人

- KFSC共同代表理事 ファイナンシャルプランナー
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専門分野
ライフプランニング、資産形成(NISAを使ったつみたて投資、個別株、投資信託、ETF)、公的年金・企業型確定拠出年金・iDeCo、生命保険。個人としての金融資産運用歴は30年以上、投信を使ったつみたて投資20年以上、外国株口座での取引も経験を有する。
主な資格
CFP®・1級FP技能士