【ブログ】<50代以上必見>相続不動産を「固定資産税の評価額」で分けると、あなたが数百万円いや、数千万円損をするかもしれない!?

ご両親が遺言書を遺さずに亡くなってしまった場合、兄弟など相続人との間で遺産分割の話し合いが必要になります。その遺産分割するうえで不動産が含まれている場合は不動産の価値(評価額)について注意が必要です。

しかし不動産の評価額は何を参考にどのように考えたら良いか見当が付きません。

相続不動産を遺産分割の話し合いをした時の金額は2000万円だったが、実際に不動産を売却をしたら3000万円だったという事はよくあります。

そのような事にならないように評価額をざっくり把握できる3ステップをご紹介します。

相続不動産の遺産分割の話し合いで間違いがちな評価額

50代を迎え、ご両親の相続について考え始めたとき、まず頭をよぎるのは「実家をどうするか」「兄弟で争わないためにどう分けるか」という問題でしょう。
多くの方が、「固定資産税の納税通知書」に書かれた評価額、あるいは相続税を計算する相続税路線価を基にした評価額を不動産の価値だと考え、「この金額で分けよう」と話し合いを始めがちです。(以下、評価額という)
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
この評価額の前者は市町村が税金を計算するために定めた「固定資産税評価額」で後者は相続税を計算するために算出した相続税評価額です。

しかし遺産分割という観点では時価評価がベースになります。

時価とは実際に市場で売買される価値です。冒頭の評価額とは大きくかけ離れていることがほとんどなのです。 特に、都心や人気の高いエリアにある不動産ほど、この差は広がりやすく、この評価額をそのまま使うと、不動産を相続する人、しない人の間で数百万円から数千万円単位の不公平が生じてしまう可能性があります。
大切な兄弟など親族との間で「争族」を避けるためにも、まずは不動産の「本当の価値」をざっくり知ることから始めましょう。

争族にしないために!

自分で簡単にできる「ざっくり時価」把握の3ステップ専門家に頼むのは敷居が高いと感じる方も多いはず。

まずはご自宅のパソコンやスマートフォンから、費用をかけずに不動産のおおよその時価(市場価格)を知るための具体的方法を3つのステップでご紹介します。

(ステップ1)

手元にある「評価の基準」を再確認する
最初に行うのは、手元にある書類の確認です。毎年送られてくる「固定資産税の納税通知書」または「固定資産評価証明書」を用意しましょう。
ここに記載されている金額は時価ではありませんが、「固定資産税等の税金計算の基準となる価格」が把握できます。これが、次に調べる市場価格と比較するベースとなります。

(ステップ2)

行政の公開情報で「近隣の取引事例」を調べる
実際に近隣でどのような価格で不動産が売買されているかを知るのが、時価を推測する最も確実な方法です。
国土交通省の提供する「土地総合情報システム」など、行政が公開しているウェブサイトでは、実際にあった不動産取引の価格がエリアごとに公表されています。

https://www.reinfolib.mlit.go.jp

ご実家の住所や、近隣の駅名を入力し、「築年数」や「広さ」が近い物件の取引事例をいくつかチェックしてみましょう。これが市場のリアルな価格帯を知る上で、非常に参考になります。 但し土地などは接道状況や地形や高低差などで価値が変わるのであくまでも参考としてください。

(ステップ3)

無料で使える「オンライン査定ツール」を活用する
最近では、大手不動産会社や大手不動産ポータルサイトが提供する無料のオンライン査定サービスがあります。
土地の形状や最寄りの駅からの距離など、いくつかの簡単な情報を入力することで査定額を知ることができます。
これはあくまで「推定価格」なので必ず売却できる金額ではありませんが、ステップ1やステップ2で調べた情報と照らし合わせることで、ご実家の不動産価値がどの程度の範囲にあるのかを、手軽に把握することができます。

結論

まず「自分で確かめること」が争族回避の第一歩
不動産相続の不安は、「何から始めたら良いか分からない」という漠然とした状態から生まれます。しかし、あなたがこの3つのステップを踏めば、不動産の分割に対する不安は少し解消するかもしれません。

この記事を書いた人

田邊和弘
田邊和弘KFSC理事 宅地建物取引士
専門分野

不動産投資、不動産相続、不動産管理

主な資格

CFP®、宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、CPM®(米国公認不動産賃貸経営管理士)

略歴

(株)巴不動産を経て(株)陽徳不動産(旧社名 陽徳商事)入社、2015年 同社 代表取締役に就任、株式会社陽徳不動産 代表取締役、大田区不動産オーナーの会 代表、中古住宅のあんしん仲介窓口 代表