【ブログ】相続アドバイザーとして

子供から親に相続の話をもちかけることは、そんなにいけないことなのでしょうか?

相続の申告・納税が対象になる世帯では、子供にとって親の相続は大変心配なことです。相続が発生すると、必ずやらなければならないことが出てきます。それは、対象者が協力して行わなければ、スムーズな対応はできません。

どんなケースがあるのか事例を紹介してみます。

子供からの話が裏目に

単純な誤解からなのか、無知が原因なのか、子供の言葉を信じずに、自分の解釈のほうが正しくて、それ以外は、余計なことだと切り捨ててしまい、最後には企みがあるかのような感情で拒否してしまう。

友達から、『子供から相続の話を持ちかけるなんて聞いたことがない。』と、中身も知らない人が無責任に言った言葉を信じて、子供たちが行おうとしていることが、家族のためであるのに、疑ってしまう。なんて残念なことでしょうか。

相続対策は、被相続人となるときに備えて事前に出来ることを相続人になる方たちが、協力的に話し合うことができてこそ成立します。

時には法律の力も

相続は、実際には、法定相続分で分けられることの方がまれで、遺産の分け方について、話し合う必要があるケースがほとんどです。何らかの感情的な対立から、公平性が欠如し、話し合いの拒否などに発展しかねません。

そうならないようにしたいところですが、どうしてもかなわない場合のときこそ、法律の力を利用して、調停や訴訟によって、粛々と相続問題を解決することも、選択肢の一つだと、アドバイスすることもあります。

それは、現状以上に相続人同士で揉めることを回避して欲しいからです。

ねがわくば

相続アドバイザーとして、ご家族の間に入ろうと願ったとしても、当事者が受け入れていただけなければ、お手伝いはできません。私たちは公平な立場でアドバイスや調整を行いますが、当事者が自身の主張を譲っていただけなければ、円満な進行を促すことは、残念ながらできません。

ご家族がお互いの立場を理解し、冷静かつ公平な話し合いを行うことが不可欠です。感情的にならず、客観的な事実に基づいてお互いに譲り合いの精神を持つことが大切になります。

遺産を把握してさえいれば

それでも、最低限、相続人の特定と遺産を把握できていれば、相続後に起こりうる相続手続きや、遺産分割の中身を想定しておくことは可能です。

相続対策がどうしてもかなわない場合は、相続が発生したときに備え、十分なシミュレーションをしておくことで、慌てることなく、遺産分割協議に臨み、期日までに、申告・納税手続きができるはずです。

ベストな解決はなかなかありませんが、どんな状況下でもよりベターな解決策が見つかることを願っています。

この記事を書いた人

志村孝次
志村孝次KFSC副代表理事 宅建士 2級建築士 ファイナンシャルプランナー 
専門分野

不動産売買・相続・空家・不動産投資・住宅ローン・事業計画

主な資格

AFP・宅建士・2級建築士・不動産コンサルティングマスター・相続アドバイザー

略歴

・平成3年 日本大学 商学部 卒業
・平成3年 大和団地株式会社(現ダイワハウス)入社
・平成5年 株式会社ハウスモリー逗子 入社
・平成15年 有限会社クレアホーム 設立 現在に至る