【ブログ】SNS型投資詐欺とロマンス詐欺に注意しよう!!

 2024年の特殊詐欺の被害額は、721億5,199万円にのぼり対前年比268億9,555万円の増になっています。1日あたり約2億円の被害が発生していることになります。これに併せてSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害額は、2024年の実績で1,268億円(SNS型投資詐欺871億円、ロマンス詐欺397億円)と金額も多額になっています。こういった詐欺に遭うとライフプランに大きな影響を与えます。詐欺の実態を知り対策を講じることが非常に大切な時代になっています。

 今回はSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺に焦点をあて解説します。SNS(Instagram、Facebook、LINE、X(Twitter)、マッチング アプリ、TikTok等)の普及は、簡単に各種情報が収集できる利便性がある一方で、悪意のあるサイトにアクセスさせて被害にあっている方が増えています。

SNS型投資詐欺とは

 投資すれば利益が得られると誤信させ、投資アプリ等に誘導するなどし、虚偽の利益を表示する方法などにより心理的安心感を与え、架空の投資を継続させながら、投資金名目やその利益の出金手数料名目などで金銭等をだまし取る詐欺をいいます。著名人を騙った詐欺が最近話題になっています。

SNS型ロマンス詐欺とは

【投資名目】

恋愛感情や親近感を抱かせながら投資に誘導し、投資金名目やその利益の出金手数料名目などで金銭等をだまし取る詐欺です。

【その他のロマンス等名目】

恋愛感情や親近感を抱かせながら架空の事実を口実とし、交際の継続等を前提とした各種名目で金銭等をだまし取る詐欺です。被害額が多額で急増しています。

2025年1月から3月の認知件数、被害額、検挙件数、検挙人員

令和7年3月までの被害額実績では、248億円(SNS型投資詐欺130.1億円、ロマンス詐欺117.9億円)になっており、1件当たりで約1千万円にのぼります。

NS型投資詐欺の認知件数・被害額

出典:警察庁

当初接触ツールは、Instagram(20.4%)、LINE(15.4%)、Facebook(14.5%)で半分を占めています。被害時の連絡ツールは、LINE(88.1%)であり主流になっています。被害金の主たる交付形態は、振込(69.4%)が一番多く暗号資産(27.8%)となっています。

マンス詐欺の認知件数・被害額

当初接触ツールは、マッチングアプリ(33.2%)、Instagram(24.4%)、Facebook(18.5%)で4分の3を占めています。被害時の連絡ツールは、LINE(91.8%)であり主流になっています。被害金の主たる交付形態は、振込(61.4%)が一番多く暗号資産(32.0%)となっています。

NS型投資詐欺の手口

1.フェイスブックやインスタグラム、LINEを始めとするSNSやウェブサイト上の広告等をきっかけに、LINEの投資グループに招待される。

2. 投資や暗号資産への投資を勧められ、投資専用のアプリ等を通じ、指定口座への送金を指示される。

3.アプリやサイト(偽サイト)上では、投資が成功し、利益を得ているように表示される。

4.利益等を引き出そうとすると、手数料や違約金などの名目で、さらに振り込みを要求され、引き出しができず、被害に気付く。

ロマンス詐欺の手口

SNSやマッチングアプリを通じて知り合った相手と連絡を取り合ううちに、結婚や交際を申し込まれる。その後、「結婚後の生活のために投資しないか」等の理由で、指定口座への送金を指示される。

SNS型投資詐欺に遭わないための対策

1. 投資先が実在しているか、国の登録事業者か確認する。金融商品取引業者等に登録されているかを確認しましょう。

2. 「必ずもうかる」、「あなただけ」といった文言には注意する。

3. 投資を勧めている「著名人」がなりすましでないか確認する。著名人の公式アカウントからの発信情報などを確認しましょう。

4. 投資に関係する「暗号資産」や「投資アプリ」等が実在するか確認する。勧められた暗号資産や投資アプリをインターネットで検索しましょう。

5. 振込先の口座に不審点がないか確認する。個人名義の口座、口座名義が振込のたびに変わるなど。

6.会ったことのない人からお金の話をされたら要注意です。翻訳アプリやAIなどを利用すれば、誰でも簡単に他人になりすますことができます。

7. 「投資」に誘導されたら要注意です。

ロマンス詐欺に遭わないための対策

1.SNSやマッチングアプリで知り合った相手に、すぐに個人情報を教えないようにしましょう。

2.「投資をしよう」「結婚資金が必要」などの理由でお金を要求されたら、詐欺の可能性を疑いましょう。

3.相手が本当に言っている通りの人物か、オンライン検索や逆画像検索を活用して調べてみましょう。

4.恋愛感情に流されず、相手の言動に矛盾がないか慎重に判断することが重要です。

5.不審に思ったら、警察や消費者センターに相談しましょう。

6.ロマンス詐欺は巧妙な手口が多いため、常に警戒心を持つことが大切です。

まとめ

 SNS型投資詐欺やロマンス詐欺の被害額は多額になっています。犯人たちは、日々どのような手口で騙そうかと研究をしています。私たちはそういた者から大切な財産を守らなければなりません。

 詐欺による被害は誰でも遭う可能性があります。常日頃から対策を考え防備しておくことが最大の対策になると考えています。 怪しい、おかしい等と思った時には警察や消費者センターに相談してください。老後資金のライフプラン計画など不安をお持な場合には、専門家(FPなど)に相談することをお勧めします。

この記事を書いた人

大庭和夫
大庭和夫
専門分野

ライフプラン設計、不動産運用設計、相続関係、年金関係

主な資格

1級FP技能士、宅地建物取引士、損害保険募集人、日商簿記2級

略歴

企業(株式会社キャプティ)の人事部門に在籍中、社員に対するライフプランセミナー講師、年金相談に携わる。 現在は、一般社団法人ビューティフルエージング協会所属し各種セミナーの講師・相談業務を担務している。KNR大庭FP事務所代表