【ブログ】「バケットリスト」で、最高の人生を見つけよう
「バケットリスト」を作ったこと、ありますか? 最近話題に上ることが増えましたが、そうです「死ぬ前にやっておきたい事リスト」のことです。語源は“kick the bucket”(スラングで「死ぬ」の意味)です。2007年制作の米国映画「THE BUCKET LIST(ザ・バケットリスト)」の上映により(日本語版のタイトルは「最高の人生の見つけ方」)、バケットリストが広く知られるようになりました。
例えば、あなたが医師より余命数ヶ月と宣告されたとしましょう。改めて自分の人生を振り返った時、「まだ時間がある内に、もっと自分のやりたい事をやっておけばよかった」と悔やむかも知れません。
バケットリストはその様な後悔を避ける事に役立ちますし、その前のリスト作成の段階においても、ご自身の人生についてとても前向きに考えられる様になるなど、多くのメリットあります。
最高の人生へ導くバケットリスト、その作り方や実現性を高める方法など、一緒に考えていきましょう。
バケットリストの作り方
バケットリストは「やるべき事」ではなく「やりたい事」のリストです。このため、いろんな制約に囚われず自由にポジティブな気持ちで、思いつくことをどんどん書き込むことから始めましょう。
そうは言っても直ぐに思いつかない時もあるでしょう。その時は以下の方法を参考にしてください。
- 実現性は考えず、やりたいことを何でも、思いつく限り書いてみる
- カテゴリー分けして書いてみる(健康、旅行、趣味、食べ物、挑戦したい事など)
- やりたい事をビジュアル化する(写真、地図、ネット画像など)
- 優先度や達成したい期限を決める
- 書くときは、「〇〇する」と言い切る
- 達成したらその都度チェックを入れる
- リストは定期的に見直す(年度計画を立てるのもお勧め)
SNSなどでは100項目を目指すバケットリスト事例も多いですが、100に拘る必要はありません。
バケットリスト参考例
ここでは、著者が関係した3つのバケットリストの作成例を紹介します。
最初の例は数十年前、まだバケットリストがあまり認知されていなかったころ、ある著名な経営コンサルタントから教わったものです。この方の教えは、『リタイア後も充実した人生を送りたいなら、「一人か複数名か」と「屋内か屋外か」との2×2=4通りのマトリックスにして、各領域で5つ以上(合計で20以上)の生涯やりたい事を書き出し、それについてまだ若いころから準備しておくべき』というものでした。これに基づく初期のバケットリストの参考例が図1です。
最近流行のバケットリストと比較するとシンプルですが、初心者には充分でした。
因みに、冒頭で紹介した映画「最高の人生の見つけ方」で、余命6ヶ月の主人公の2人が、一緒に達成しようとしたバケットリストは図2の内容でした。たわいのない内容に見えますが、死を目前にした高齢男性2人の飾らない本心が書かれており、好ましいバケットリストだと思います。

次に、死の直前でなく、まだこの先、何年、何十年も生きるケースで考えてみましょう。バケットリストも長期間にわたるので、やりたい事も多くなり、その分野も広くなります。この場合は、映画の様な単純なメモ書きより、カテゴリー分け、優先順位付けする方法をお勧めします。
この視点で作成した事例を図3に示します。ここでは重要なカゲゴリーとして以下の5つを挙げ、優先度は①→⑤の順としました。
①健康(最優先、これがないと何もできません)
②時間(中長期とは言え、残された時間は限られています)
③生きがい・やりたい事(従来の狭義のバケットリストです)
④人(家族・友人・仲間)
⑤お金(最優先ではありませんが、必要なお金が無いとバケットリストが実行できません)
図3では更に「リピート」と「新規」の欄を設け、新しいことに限らず、気に入っている事はどんどん続けることもOKとします。このリストは現時点では未完成ですが、実践優先です。今後使いながら見直すことで、実践的に完成度を高めれば良いと考えています。まずは、できる事から始めましょう。

(※)著者作成
バケットリスト実現のコツ
次は、この様にして作成したバケットリストを、いかにして実現するかが課題です。計画倒れにならず実現するための最重要点は以下の2点です。
①バケットリストに沿った行動を起こすために、自身のラフプランとリンクさせる。
②バケットリストの実行資金を確保するために、自身のマネープランとリンクさせる。
以上の2点を着実に進めるには、「キャッシュフロー表」という「ライフプラン」と「マネープラン」が一覧できるツールが役に立ちます。具体的な使い方は、以下図4を用いて説明します。

図4のキャッシュフロー表(CF表)において、バケットリストとライフプランをリンクさせるには、「家族イベント」欄の中に「バケットリスト達成計画」欄を設け、実施予定時期と内容を記入します。
また、マネープランとリンクさせるには「支出」欄の中に「バケットリスト達成費用」欄を設け、必要費用を記入します。金額が不明や未定の場合は、例えば「年50万円」や「年100円」等の予算額や引当額を記入するだけでも有効です。
この様に、ラフな計画や金額でも、実際に具体化してみるとやりたい事が現実味を帯び、バケットリストの達成へのモチベーションアップに繋がるはずです。
(※)キャッシュフロー表の作り方や使い方は、以下の日本FP協会のサイトをご参照ください。
https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet
まとめ
バケットリストとは「死ぬ前にやっておきたい事リスト」のことで、元々は死を目前とした主人公の行動を描いた映画「ザ・バケットリスト」を機に広まりました。ところが、リストの作り方や活用の仕方を工夫すれば、年代を問わず「最高の人生」を生きるために役立つツールであり、考え方にできます。 また、バケットリストの着実な実践には、ライフプランやマネープランとのリンクも大切であり、ファイナンシャルプランニング的な考え方やスキルを適用することで、より望ましい成果が期待できます。
この記事を書いた人

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専門分野
ライフプランニング、リタイアメントプランニング、金融資産運用設計
主な資格
CFP®、1級FP技能士、キャリアコンサルタント(国家資格)、GCDF-Japanキャリアカウンセラー、、終活アドバイザー
略歴
九州大学工学研究科(修士) 小西六写真工業(現コニカミノルタ)で研究開発、新規事業化に従事。定年後、科学技術振興機構(国研)へ転職。契約満了 により退職後、FPを開業。FPオフィス三好代表 個人の金融資産投資歴は10年以上
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