【ブログ】戸籍における氏名の振り仮名の公証化について

本籍地のある市区町村から「戸籍に記載されるフリガナについて」の通知はお手元に届きましたでしょうか。

横浜市に本籍のある方には、令和7年(2025年)7月1日から8月1日の間に確認のハガキが発送されています。内容をご確認いただけましたか。

戸籍にカタカナでフリガナを記載する理由

令和5年(2023年)6月2日に成立した「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部改正」に伴い、令和7年(2025年)5月26日から、戸籍の振り仮名が公証されることになりました。

戸籍に記載された振り仮名は、順次、住民票やマイナンバーカードにも反映されます。

「斉」 「辺」など複数の読み方がある漢字にカタカナで振り仮名を付すことで、漢字の読み方が一意に定まるため、金融機関の窓口で都合よく読み方を変え、別人を装うといった不正の防止にも役立ちます。                                                        

※戸籍には、現住所の記載はありません。では、どうして本籍のある市区町村からお知らせが届くのでしょうか。 「戸籍附票」というものがあり、その人の現住所(定住)はもちろん、転居履歴も記載されています。

通知が届いたら

通知は、同居している家族分がまとめて届きます。

戸籍が異なる家族が同居している場合は、それぞれの家族ごとに届きます。

通知が届いたら必ず家族で内容を確認しましょう。

フリガナが正しい場合は、届出をしなくても令和8年(2026年)5月26日以降に通知のフリガナがそのまま戸籍に記載されます。

政府広報より                             

戸籍へのフリガナの届出についての問い合わせ ☎0570-05-0310

誤っていたときの届出方法

フリガナが誤っている場合は、令和8年(2026年)5月25日までに、正しいフリガナの届出が必要です。届け出た場合は、令和8年(2026年)5月26日を待たずに、戸籍にフリガナが記載されます。

正しいフリガナの届出は、本籍地または住所地の市区町村の窓口や郵送で行うことができます。マイナポータルだと、窓口まで出向く必要がなく、スマートフォンなどでできます。届出に手数料は一切かかりません。

・届出の際の注意点

戸籍のフリガナは公的な本人確認資料になるため、既にお持ちのパスポートや年金手続きで登録した銀行口座のフリガナと違うフリガナを戸籍に記載した場合、パスポートや銀行口座などの名義のフリガナの変更手続きが必要になる場合があります。

また、届出は「氏(名字)」と「名」でそれぞれ届出のできる人が異なる点にも注意が必要です。

「氏」:原則として戸籍の筆頭者(戸籍の最初に記載がある人)が届け出ます。筆頭者死亡時は配偶者、配偶者も除かれている場合は子が届出人になります。

「名」:各個人が届け出ることができます。未成年者は親権者が届け出ます。15歳以上であれば、本人が届け出ることも可能です。

・届出に必要なもの

一般的でない読み方を希望する場合は、パスポートや預金通帳など、「読み方が通用していることを証明する資料」が必要です。

*マイナポータルで届出を行う場合は不要です。

・誤ったフリガナが戸籍に記載されてしまった場合

通知されたフリガナが誤っていたのに正しいフリガナを届け出ることを忘れてしまい、令和8年(2026年)5月26日以降に誤ったフリガナが戸籍に記載されても、1回限り、正しいフリガナに変更することができます。

・一度届けたフリガナを変更したい場合

一度届けたフリガナをさらに変更する場合は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を市区町村に届け出る必要があります。

赤ちゃんの名前のフリガナに注意

令和7年(2025年)5月26日以降、出生届により初めて戸籍に記載される赤ちゃんについては、そのフリガナが「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているものでなければならない」というルールが設けられました。

「非常に個性的で一般的な読み方や漢字の使い方でない名前」や極端な当て字の「キラキラネーム」も今後は一定のルールが設けられます。

・フリガナとして認められないと考えられる例

「太郎」を「ハナコ」とフリガナをつける

「太郎」を「TAROU」 とアルファベットをあてたる

「☆たろう」と記号をあてる

漢字の意味と反対であったり、別人と誤解されたり、全く読むことができない読み方であったりするものが挙げられます。

各種の行政手続きやこどもの学校生活など、日常生活に混乱を招くおそれがあるため、一定のルールが設けられます。

まとめ

・便乗詐欺に注意

フリガナの届出は、法務省・市区町村などの行政機関が金銭を支払うよう要求することは絶対にありません。   

・届出には手数料はかかりません。

・届出をしなくても罰則はありません。

「手数料や罰金を支払う必要がある」といった連絡があったら、それは詐欺です。   

不審に思ったら、全国共通のコールセンター、☎0570-05-0310

お住まいの市区町村の担当窓口、最寄りの警察署または警察相談専用電話「#9110」、消費者ホットライン「188」に連絡を!

この記事を書いた人

矢吹弘恵
矢吹弘恵KFSC所属 ファイナンシャルプランナー
専門分野

ライフプランニング、相続、終活全般、遺言、事業承継

主な資格

CFP®、FP2級技能士、終活アドバイザー、円満相続遺言支援士、看取りケアパートナー、博物館学芸員、茶道

略歴

大学卒業後、出版社にて編集者として勤務。出産後専業主婦として子育てに専念。地銀にて事業資金の債権回収、代弁事務、条件変更事務、特に債権関係の相続業務・家庭裁判所への申述等に従事。